Column

会社員の手取りを増やす税金控除・扶養・iDeCo・NISAの使い分け

確定申告ガイド 監修・執筆:中山慎吾(トランス税理士法人 代表税理士)
「手取り最大化のための税金控除&資産運用」iDeCoとNISAの資金の使い分けを示すイラスト

給与が増えても手取りが思うほど増えないとき、先に確認したいのは、
使える控除が年末調整へ正しく反映されているか、家族の収入をどの制度の基準で見ているかです。
さらに資産運用を始める場合は、現在の税金を減らす仕組みと、将来の運用益を非課税にする仕組みを分けて考える必要があります。

この記事では、会社員の税金が決まる流れ、2026年の扶養に関する主な基準、
個人型確定拠出年金のiDeCoとNISA(少額投資非課税制度)の違いを、
年末調整で確認する資料と具体的な計算例を交えて整理します。

なお、この記事では2024年から始まった制度を「NISA」と表記します。
2023年までの一般NISA・つみたてNISAとは分けて確認してください。

目次

この記事で分かること

  • 最初に年末調整書類と控除証明書を照合すると、すでに要件を満たしている控除の取りこぼしを確認できます
  • 「178万円」「136万円・169万円」「106万円」「130万円・150万円」は、それぞれ本人の課税、税法上の配偶者・扶養親族の控除、勤務先での社会保険加入、健康保険の被扶養者認定に関する別の目安です
  • iDeCoは掛金が現在の所得控除になりますが、原則60歳まで引き出せないため、勤務先の企業年金と近い将来に必要な資金を確認してから掛金を決めます
  • NISAは現在の給与所得を減らす制度ではなく、口座内の売却益や一定の配当・分配金を非課税にする制度です
  • NISA口座内の損失は、特定口座・一般口座の利益との損益通算や翌年以後への繰越控除ができません

手取りへの効果は3種類に分けて考える

税金の控除と資産運用の優遇制度は、すべて同じように手取りを増やすわけではありません。
まず、給与から税額が決まる流れを簡略化すると、次の順序になります。

給与収入-給与所得控除=給与所得
給与所得-所得控除=課税所得
課税所得に税率を掛けて計算した税額-税額控除=納める所得税

所得控除は課税所得を減らし、税額控除は計算後の税額を直接減らします。
一方、NISAは給与所得や現在の所得税を減らさず、口座内の投資利益を非課税にします。
この違いを整理しないまま「節税になる制度」を並べると、期待した時期に手取りが増えないことがあります

仕組み何に作用するか会社員の代表例確認時期
所得控除税率を掛ける前の課税所得を減らす
  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 社会保険料控除
  • 生命保険料控除
  • iDeCo掛金
年末調整または確定申告
税額控除計算後の所得税額を直接減らす住宅ローン控除など制度ごとの手続時期
運用益の非課税口座内の売却益や一定の配当・分配金への課税をなくすNISA投資・売却時

所得控除が10万円増えても、税金が10万円そのまま戻るわけではありません。
概算では、増えた所得控除に本人の所得税率や住民税率を掛けて影響額を考えます。
適用される税率は年収だけでは決まらず、給与所得控除や他の所得控除を差し引いた後の課税所得によって変わります。

年末調整は「会社任せ」では控除が漏れることがある

会社は、本人から提出された申告書や証明書をもとに年末調整を行います。
家族の収入変化や、本人が直接支払った保険料・iDeCo掛金は、勤務先が自動的に把握できるとは限りません。
勤務先から年末調整書類を受け取ったら、前年の内容を写すだけでなく、その年の状況と照合します

控除の出し忘れは還付申告として後から取り戻せる場合があるため、気づいた時点で申告の要否から確認してみてください。

家族の状況に関する控除

確認する項目確認する資料・数字見落としやすい場面主な手続
基礎控除・配偶者控除等本人と配偶者の年間所得見込、勤務先の基礎控除申告書等配偶者の就職・退職、勤務時間増加、副業などで収入見込が変わった年末調整。漏れた場合は確定申告を検討
扶養控除・特定親族特別控除(19〜22歳の子など)親族の年齢、年間所得見込、生計を一にしているか大学生年代の子のアルバイト収入が増えた、年の途中で扶養状況が変わった扶養控除等申告書、基礎控除申告書等

保険料・掛金の控除

確認する項目確認する資料・数字見落としやすい場面主な手続
社会保険料控除本人が支払った国民年金保険料等の金額と証明書家族分を本人が支払った、転職期間中に自分で納付した保険料控除申告書等
生命保険料・地震保険料控除保険会社の控除証明書にある区分と金額証明書の到着前に書類を提出した、複数契約の一部を出し忘れた保険料控除申告書
iDeCo・企業型DCの加入者掛金小規模企業共済等掛金払込証明書、給与からの控除状況個人払込の証明書を出し忘れた、転職後に拠出方法が変わった保険料控除申告書。年末調整未反映なら確定申告

年末調整で完結しない控除

確認する項目確認する資料・数字見落としやすい場面主な手続
年末調整で完結しない控除
  • 医療費
  • 寄附金
  • 住宅ローン控除初年度等の資料
年末調整ですべての控除を受けられると思っていた確定申告

2026年分の所得税では、基礎控除、給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件が改正されます。
国税庁は、改正を原則として2026年12月1日から施行し、2026年12月の年末調整から反映すると案内しています。
11月までの給与で毎月の源泉徴収額が変わっていなくても、年末調整で年間の税額が精算される点に注意してください。詳しくは国税庁の令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等についてで確認できます。

勤務先への提出が間に合わなかった控除は、要件を満たしていれば確定申告で補える場合があります。

ただし、医療費控除、住宅ローン控除、ふるさと納税などは、
それぞれ対象範囲や必要書類が異なるため、年末調整の控除と一括りにせず確認します。

扶養の「年収の壁」は一つではない

扶養を考えるときに最も混乱しやすいのが、異なる制度の数字を一つの基準だと思ってしまうことです。
少なくとも、
・本人に所得税がかかるか
・家族を税法上の扶養にできるか
・勤務先で社会保険へ加入するか
・家族の健康保険の被扶養者でいられるか
を分けて確認します。

税金の壁はその年の合計所得金額で、社会保険の壁は今後の年間収入見込や生計維持関係で判定されます。
同じ「年収の壁」でも、判定する制度と影響する相手が異なるため、分けて確認してください。

税金に関する壁(2026年分)

主な金額何の目安か対象・前提注意点
給与収入178万円以下本人の所得税等がかからない目安2026年分。給与収入のみで、他の所得がない場合住民税は別基準。均等割がかかる場合もある
給与収入136万円以下税法上の扶養親族の所得要件の目安2026年分。給与収入のみの場合の合計所得62万円以下扶養控除は原則16歳以上。生計を一にすること等の要件もある
給与収入169万円以下配偶者(特別)控除38万円を受けられる範囲の目安2026年分。納税者本人の合計所得900万円以下など一定の場合本人の所得と配偶者の所得により
控除額が変わり、
本人の合計所得1,000万円超では適用できない

社会保険に関する壁

主な金額何の目安か対象・前提注意点
約106万円一定の短時間労働者が勤務先の社会保険へ加入する賃金要件2026年9月まで。週20時間以上、従業員50人超の企業等の要件を満たす場合月額8万8,000円以上とする賃金要件は2026年10月に撤廃予定
130万円未満社会保険上の被扶養者の年間収入要件の代表的な基準配偶者等。健康保険の認定条件を満たす場合同居・別居の生計維持要件や今後の収入見込も確認する
150万円未満19歳以上23歳未満の親族の社会保険上の年間収入要件配偶者を除き、2025年10月1日以後の一定の被扶養者認定年齢はその年12月31日時点。その他の生計維持要件は残る

国税庁の「家族と税」では、2026年分の給与所得控除、基礎控除、配偶者控除、扶養控除等が整理されています。
社会保険については、厚生労働省の「年収の壁」への対応と、加入している健康保険の案内を確認します。

大学生年代の子は税と社会保険を別々に判定する

19歳以上23歳未満の親族は、税法上は特定扶養親族や特定親族特別控除の対象になる可能性があります。
給与収入だけなら、2026年分の扶養親族の所得要件は136万円以下が目安です。
これを超えても、所得に応じて特定親族特別控除を受けられる場合があるため、直ちに控除がゼロになるとは限りません。

一方、社会保険上の被扶養者認定では、配偶者を除く19歳以上23歳未満の親族について、
一定の場合に年間収入150万円未満という基準が使われます。
税法はその年の合計所得金額、社会保険は今後の年間収入見込や生計維持関係を見るため、同じ給与明細を使っても判定方法が違います。

勤務先の家族手当は会社独自の基準を確認する

税法上の扶養控除を受けられても、勤務先の家族手当が継続するとは限りません。
家族手当の収入基準や提出書類は就業規則・給与規程で定められます。
世帯手取りを確認するときは、税金と社会保険に加え、勤務先の手当がいつ変更されるかも人事・給与担当へ確認します。

大学生年代の子の生活を表現する画像

iDeCoは現在の課税所得を減らす老後資金の制度

iDeCoは、自分で掛金を拠出し、自分で運用商品を選ぶ個人型確定拠出年金です。
勤務先が導入する企業型確定拠出年金は企業型DCと呼ばれ、事業主が掛金を拠出します。
企業型DCの規約によっては、従業員が掛金を上乗せするマッチング拠出を利用できます。

iDeCoには、次の3段階の税制があります。

  • 掛金を払うとき:加入者が支払った掛金は、小規模企業共済等掛金控除として全額が所得控除の対象になります
  • 運用するとき:iDeCo制度内の運用益は非課税で再投資されます
  • 受け取るとき:一時金は退職所得控除、年金は公的年金等控除の対象になります。ただし、他の退職金・年金や受取時期によって課税額は変わります

国税庁は、iDeCoや企業型DCの加入者掛金について、その年に支払った掛金全額を所得控除の対象と案内しています。
個人払込の場合は、勤務先へ保険料控除申告書と掛金の証明書を提出し、
年末調整に間に合わなければ確定申告で手続きします。詳しい手続は国税庁の小規模企業共済等掛金控除で確認できます。

月2万円を拠出した場合の税負担軽減は約4万8,000円が一つの目安

毎月2万円を12か月拠出すると、年間掛金は24万円です。
課税所得に対する所得税率を10%、住民税所得割を10%と仮定すると、概算は次のようになります。

2万円×12か月=24万円
24万円×(所得税率10%+住民税所得割10%)=約4万8,000円

実際の所得税では復興特別所得税も関係し、住民税への影響は翌年度に表れます。

また、課税所得がない方は掛金の所得控除による税負担軽減を受けられません
年収だけで税率を決めず、源泉徴収票の給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計額、他の所得を確認して概算します。

税負担だけでなく60歳まで使わない資金かを確認する

iDeCoの資産は、老後資金を目的とするため原則60歳まで引き出せません
60歳から受け取るには、原則として通算加入者等期間が10年以上必要で、期間が短い場合は受給開始年齢が後ろへずれます。
運用商品によっては元本割れがあり、加入時・運用時・受取時には手数料もかかります。

教育費、住宅購入、転職・独立、生活防衛資金など、
60歳より前に使う可能性があるお金まで拠出すると、税金は軽くなっても家計の自由度が下がります
国民年金基金連合会のiDeCoの特徴で、引出制限、運用リスク、手数料を確認したうえで掛金を決めます。

2026年は勤務先の企業年金と改正時期を確認する

2026年4月1日、企業型DCのマッチング拠出について、加入者掛金が事業主掛金を超えられない制限が撤廃されました。

ただし、勤務先がマッチング拠出を導入しているか、
規約上いつから掛金を変更できるかは会社ごとに確認が必要です。

さらに2026年12月1日には、iDeCoの加入可能年齢と拠出限度額の改正が施行予定です。
会社員等のiDeCoは、企業年金との共通上限が月6万2,000円へ引き上げられる予定ですが、
企業型DCの事業主掛金やDB(確定給付企業年金)等の他制度掛金相当額を差し引くため、誰でもiDeCoへ月6万2,000円を拠出できるわけではありません
2026年11月までは、勤務先の企業年金の有無などにより、会社員のiDeCo上限は原則月2万円または2万3,000円です。

掛金を変更・開始する前に、勤務先の企業型DC・DBの有無、事業主掛金、他制度掛金相当額、マッチング拠出の利用可否を確認します。
改正内容は厚生労働省の2025年の制度改正で確認できます。

iDeCoの長期資金拘束を表現する画像

NISAは給与の税金ではなく投資利益を非課税にする

NISAは、専用口座で取得した一定の金融商品について、売却益や一定の配当・分配金を非課税にする制度です。
iDeCoのように投資額を給与所得から差し引く所得控除ではないため、NISA口座へ入金しただけで現在の所得税・住民税が下がるわけではありません。

  • つみたて投資枠は年間120万円
  • 成長投資枠は年間240万円
  • 両方を併用した年間投資枠は合計360万円
  • 非課税保有限度額は合計1,800万円で、成長投資枠はそのうち1,200万円
  • 商品を売却すると、取得金額分の非課税保有限度額を翌年以後に再利用できる

売却によって再利用できるのは、売却価格ではなく取得金額に相当する総枠です。

また、再利用できる総枠がその年の年間投資枠へ上乗せされるわけではありません。
金融庁のNISAを知るで、年間投資枠と非課税保有限度額を確認できます。

NISAで損失が出ても他口座の利益と相殺できない

NISAは利益が非課税になる一方、NISA口座内の売却損は税務上ないものとみなされます。

そのため、特定口座・一般口座の上場株式等の利益や一定の配当等と損失を相殺して税額を計算する
「損益通算」や、一定の損失を翌年以後へ繰り越す「繰越控除」はできません

取得60万円の商品を45万円で売却した例

NISA口座で60万円の商品を取得し、値下がり後に45万円で売却したとします。
この場合、15万円の損失が生じていますが、税務上は次の扱いになります。

  • 15万円の損失を、特定口座・一般口座の利益や配当等と損益通算できない
  • 15万円の損失を翌年以後へ繰り越せない
  • 翌年以後に再利用できる非課税保有限度額は、売却額45万円ではなく取得金額60万円分
  • 60万円分の総枠が戻っても、翌年の年間投資枠が360万円を超えて増えるわけではない

課税口座の一定の上場株式等の譲渡損失は、確定申告により一定の配当等との損益通算や翌年以後3年間の繰越控除ができる場合があります。

ただし、対象となる資産や課税方式、連続して申告すること等の条件があります。
NISAの損失については、国税庁のNISA制度で確認できます。

iDeCoとNISAは「どちらが得か」ではなく使う時期で分ける

iDeCoとNISAは併用できます。
二者択一で考えるより、老後まで使わないお金と、途中で使う可能性があるお金を分けることが重要です

使う時期・資金の性質で分ける

iDeCoとNISAの使い分けを表現する画像
iDeCoとNISAの使い分けを表現する画像
資金の性質・使う時期優先して検討する制度理由先に確認する資料・数字
老後まで使わない資金iDeCo(NISAとの併用も検討)掛金が全額所得控除になり、
課税所得がある人は現在の税負担が軽くなる可能性があるため
  • 勤務先の企業年金資料
  • 本人の適用税率
  • iDeCoの拠出上限
数年以内に使う予定がある資金(教育費・住宅購入・転職・独立など)NISAを含めて検討iDeCoは原則60歳まで引き出せず、
NISAは保有商品を売却して引き出せるため
  • 60歳までの資金計画
  • 投資期間
  • 値下がりに耐えられる金額
生活防衛資金どちらにも回さない運用商品には元本割れの可能性があり、
必要な時期に使うお金は手元に残すため
当面の生活費と支出予定
課税所得がない・少ない年iDeCoの所得控除の効果は小さく、NISAも含めて検討課税所得がないと、掛金の所得控除による税負担軽減を受けられないため
  • 源泉徴収票の給与所得控除後の金額
  • 所得控除の額の合計額

制度の仕組みの違い

比較項目iDeCoNISA
現在の所得税・住民税加入者掛金が所得控除。課税所得がある人は税負担が軽くなる可能性がある投資額は所得控除にならず、現在の給与の税金は減らない
運用益制度内の運用益は非課税で再投資口座内の売却益・一定の配当等が非課税
資金の引き出し原則60歳まで引き出せない保有商品を売却して引き出せる
損失の扱い受取額は運用成績で変動する。他口座の利益と通算する制度ではないNISA口座内の損失は他口座の利益との損益通算・繰越控除ができない

たとえば、数年以内に住宅購入や教育費の支出を予定している人は、
税負担軽減額だけを見てiDeCoへ資金を寄せすぎないようにします。

反対に、老後まで使わない資金があり、勤務先の企業年金とiDeCo上限を確認できている人は、
現在の所得控除も含めて検討できます。

状況別に最初に確認する資料を決める

  • 配偶者や子の収入が変わった:給与明細・雇用契約書・年間収入見込を用意し、税法上の所得と社会保険上の年間収入見込を分けて確認します
  • 控除証明書を勤務先へ出し忘れた:源泉徴収票、年末調整書類、控除証明書をそろえ、確定申告で補えるか確認します
  • iDeCoを始めたい・増額したい:勤務先の企業型DC・DB・事業主掛金・マッチング拠出の資料と、60歳前に必要な資金を確認します
  • NISAを始めたい:年間枠を埋めることより、生活防衛資金を残したうえで投資できる金額と期間を決めます
  • NISAで損失が出た:NISA口座と課税口座の取引報告書を分け、NISA損失を損益通算へ入れないよう確認します

手取りの確認は、制度名から始めるより、
源泉徴収票、家族の収入見込、控除証明書、勤務先の企業年金資料を並べるところから始めると、
使える制度と確認先を切り分けやすくなります。

よくある質問

Q. 年末調整が終わった後に控除証明書が見つかりました。控除は受けられませんか?

A. 要件を満たしていれば、確定申告で控除を補える場合があります。
源泉徴収票、見つかった控除証明書、年末調整で提出した書類の控えをそろえ、すでに反映済みの金額と重複しないよう確認します。

Q. 配偶者の給与が一定額を超えると、世帯手取りは必ず減りますか?

A. 必ず減るとは限りません。
本人の所得税、配偶者(特別)控除、勤務先の社会保険加入、健康保険の被扶養者認定、会社独自の家族手当を別々に確認します。
社会保険へ加入すると保険料負担が生じる一方、厚生年金は加入期間や報酬額に応じて年金額が計算され、健康保険の被保険者は要件を満たせば傷病手当金の対象になります(日本年金機構:老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額協会けんぽ:傷病手当金)。
目先の手取りだけで就業時間を決めず、保険料と給付の両方を確認することが重要です

Q. iDeCoへ24万円拠出すると、24万円が税金から戻りますか?

A. 戻りません。24万円は税額ではなく所得控除額です。
所得税率10%、住民税所得割10%と仮定した概算は約4万8,000円ですが、本人の課税所得、他の控除、拠出月数によって実額は変わります。
課税所得がない場合、掛金の所得控除による税負担軽減はありません。

Q. iDeCoとNISAは両方利用できますか?

A. 両方利用できます。
勤務先の企業年金との関係でiDeCoの拠出上限・併用条件を確認し、60歳まで使わない老後資金はiDeCo、途中で使う可能性がある資金はNISAを含めて検討するなど、目的と時期を分けます。
どちらも運用商品によって元本割れの可能性があります。

Q. NISAの損失を確定申告すれば、他の株式の利益と相殺できますか?

A. できません。
NISA口座内の売却損は税務上ないものとみなされ、特定口座・一般口座の上場株式等の利益や一定の配当等との損益通算、翌年以後への繰越控除の対象になりません。
課税口座の損失とは分けて集計します。

まとめ

会社員が手取りを見直すときは、最初に年末調整書類と控除証明書を照合し、
すでに要件を満たしている控除の取りこぼしを防ぎます。
扶養は一つの年収基準で決めず、本人の課税、税法上の配偶者・扶養親族、勤務先の社会保険加入、健康保険の被扶養者認定、会社の家族手当を分けて確認してください。

資産運用では、iDeCoは現在の課税所得を減らせる一方で原則60歳まで引き出せず、
NISAは現在の給与の税金を減らさない代わりに口座内の運用益を非課税にします。
勤務先の企業年金、家族の収入、適用税率、近い将来に必要な資金を資料で確認したうえで、制度を組み合わせることが大切です

トランス税理士法人では、サラリーマン・会社員の確定申告や税務相談をサポートしています。
年末調整の控除漏れ、配偶者・扶養親族の判定、iDeCo・企業型DC・NISAの税制上の違いに不安がある方は、源泉徴収票、年末調整書類、控除証明書、家族の収入見込、勤務先の企業年金資料を整理したうえでお気軽にご相談ください。

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投稿者プロフィール

中山慎吾
中山慎吾トランス税理士法人 代表税理士
1978年生まれ。
東京税理士会所属(登録番号 第140269号)。
明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科修了、MBA取得。

税理士・CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士として、法人税務から個人税務まで幅広い相談に対応。特に、サラリーマン・会社員の確定申告、税務調査対応、RSU・ストックオプション、不動産所得、副業、各種控除など、給与所得者に起こりやすい税務の論点を中心にサポートしている。

また、税務調査をテーマにした書籍
『〜知らないと損するかもしれない〜 税務調査を受ける前に押さえるべきポイント』
(株式会社KACHIEL)に、共著者の一人として執筆に参加。

コラムでは、複雑になりやすい税金の仕組みをできるだけ分かりやすく整理し、
読者が自分の状況を確認しやすい情報発信を行っている。